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■岩崎電気 安定器の特性・違い
一般に放電ランプは負特性のため、直接電源に接続し、いったんランプ電流が流れ始めると急激に電流が増大して瞬時にランプの電極やシール部が破損してしまいます。
したがって、電源とランプの間に安定器を設けてランプ電流を適正に制御する必要があります。
安定器は電流制限のほかに次のような働きをしています。
1.ランプが必要とする始動電圧(二次無負荷電圧)を印加する。
2.適正なランプ電流波形を供給し、安定な点灯を継続する。
3.一次側力率を高力率に改善する。 |
●周囲温度は、−20〜+40度の範囲内でご使用ください。
●電源電圧は使用する安定器の定格電圧±6%の範囲内でご使用ください。定電力形は±10%の範囲内でご使用ください。
●ランプWに応じて専用の安定器をご使用ください。
●50Hz地区の屋内低天井、高照度等で使用する場合はチラツキが目立つ場合があります。
このような個所には定電力形安定器(RC形)との組合せをおすすめします。
●管灯回路の延長について…水銀灯の組合せでは特に制限がありませんが、長くなると始動性能に影響の出る場合もあります。
なお、使用する電線は安定器の口出線(600Vビニル絶縁電線)と同等性能以上のものをご使用ください。
●一般形安定器の場合、安定時の電流よりも始動時や無負荷時の電流が大きいものがあり、ブレーカーの遮断容量や配線容量を超えることがあります。安定器の入力電流の値をご確認のうえ設計にご配慮ください。
●水銀灯2灯用安定器(WH-RC)はランプ2灯を直列に接続して点灯させるため1本のランプが不点灯になると残りの1本のランプも点灯できなくなります。
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●放電ランプは、点灯直後しばらくは明るくなりません。
これは発光管の温度および蒸気圧が低いことによりランプ電圧、電力とも少ないからで、発光管内の蒸気圧が上昇するにつれて特性は安定し、正規の明るさに達します。
始動してから安定するまでの始動時間は、ランプの種類と使用安定器によって異なります。 |
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電源電圧が変動するとランプ電力、ランプ光束などの諸特性が変化します。
その変化する程度は、ランプの種類と使用する安定器によって異なります。
電源電圧が低いと始動が不安定だったり、ランプが立ち消えになる心配が
あります。
また、電圧が高いとランプや安定器の寿命が短くなりますので、
できる限り電源電圧は定格の±6%の範囲内で使用する必要があります。 |
■各安定器の特長・選び方を説明いたします。
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■一般形低力率安定器〈H-C形、H-T形〉
●特長
力率が60%前後の安定器です。電源電圧の10%の変動に対してランプ電力は18〜22%変化します。
波高率は1.4〜1.5と非常に良くランプの電極を傷めることが少なくなっています。
●選び方
電源電圧の変動が少なく(±6%以内)電源 および配線設置費用を軽減したい場合 |
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■一般形高力率安定器〈H-CC形、H-TC形〉
●特長
低力率安定器にコンデンサを内蔵して力率を改善したものです。力率は90%と非常に良く、水銀ランプの点灯回路として経済的です。また、コンデンサには保護機能をつけて安全性を高めています。
●選び方
電源電圧の変動が少なく(±6%以内)電源 および配線設置費用を軽減したい場合。 |
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■定電力形安定器<H-RC形、WH-RC形>
●特長
変圧器の二次側にコンデンサをランプと直列に接続して共振回路をつくってありますので、電源電圧10%の変動に対してランプ電力の変動を5%程度に抑えられます。 力率も95%と非常に良くなります。
●選び方
電源電圧に変動が大きい場合、配線中の電圧降下が大きい場合、電源および配線容量に余裕がない場合。ランプ始動時に他の設備の稼働に問題がある場合。
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■低始動電流形安定器<H-CL形>
●特長
チョークコイル形安定器(CC形)の力率改善用コンデンサを大きくし、コンデンサ進相電流を大きくしたもの。このため始動時の入力電流が小さくなり(安定時との差が少なくなる)、配線容量を軽減できます。
●選び方
電源電圧の変動が少なく(±6%以内)電源配線容量が定まっている場合。
ランプ始動時に他の設備の稼働に問題がある場合。
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■調光形安定器<H-CD形、H-RD形>
●特長
アイタイマー付自動点滅器と組み合わせることにより、交通量の最も多い時刻には一番明るく、深夜、人通りが減ったと きには自動的に調光できる安定器です。
CD形は、チョークコイル形(CC形)の調光形安定器、RD形は定電力形(RC形)の調光形安定器です。
●選び方
消費電力の節減をしたい場所に最適。 |
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■自動調光形安定器<H-CDT形、H-RDT形>
●特長
安定器の内蓋裏にC・MOS-IC製デジタルタイマーを内蔵していますので、季節や交通量によって調光時間を自由に設定できます。
C・MOS-ICは消費電力が少なく、すべての面で安定した動作をします。
点灯特性およびケース形状は調光形安定器とほとんど同じです。
タイマーセットは(1〜8時間)1時間ごと8段階の調光時間を設定できます。
●選び方
調光用制御線を配線することなく、電力の節約を行うことができます。 |
2007-2008 岩崎電気 LAMP CATALOG より抜粋
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