図1.殺菌ランプの中央直下における照射距離と殺菌線放射照度の関係 |
|
図2.殺菌効果の波長特性 |
|
|
●殺菌灯の効果
紫外線に殺菌効果があることは、太陽光による日光消毒などのように古くから経験的に知られています。紫外線による殺菌の原理は、細菌細胞内 にエネルギーの大きい紫外線が吸収されて、核蛋白構造が変化し、細菌生命の維持や新陳代謝に障害をきたし、死滅すると考えられています。
一般に、等しい紫外線量による殺菌効果の波長特性は菌種によって、ほぼ同一で波長250〜260nm付近が最も強く、さらにその殺菌効果は、紫外線の照度および照射時間が関係しています。
このような特性を利用したのが殺菌灯であり、空気殺菌に最適です。 また、殺菌力はランプと被照射物との距離、ランプの使用時間、器具の汚れ具合、 および周囲温度と湿度などで異なります。
温度周囲温度20度のときに出力が最大になるように設計されています。
周囲温度が10度〜35度の範囲では最大値の90%以上を維持していますが、あまり高温や低温で使用する場合は、空冷や保温が必要です。
温度条件温度が高くなると菌の抵抗力が増し、殺菌力は低下します。(相対湿度60〜70%で急激に低下するといわれています)
表1および図1をみると、大体の目安として、比較的乾燥した常温空気中に浮遊する大腸菌の場合、GL15をランプのみで点灯すると、ランプから50cmの距離において約1分でほとんど死滅することがわかります。
●殺菌灯の特長
1.細菌・カビ類などの選択性が少ない。
2.殺菌後、被照射物にほとんど変化を残 しません。
3.簡単に適用できます。
4.空気殺菌に最適です。
5.設備が比較的安価にできます。
殺菌線の出力はワット(W)で、被照射面の殺菌線照度は単位面積当りのμW(マイクロワット、1μW=10-6W)(μW/cm2 )で表されます。
殺菌ランプ単体を点灯した場合のランプ中央から軸に垂直な方向に対して距離と殺菌線照度との関係は図1のようになり、約50cmまでは逆二乗法則に近く、それより離れるとほぼ距離に反比例して変化します。
※殺菌灯のページは、こちらから 「 殺菌灯 」 |
2006,2007A 東芝 施設・屋外 照明カタログより抜粋
|